ネット販売において、自社独自の強みを活かし、競合する会社とは異なるポジションで商売をすることで、競合と戦うことなく勝つことができます。
そもそも私たちのような中小企業は、そのようにしてネット販売をすべきではあります。
しかし、どうしても他社と差別化することが難しく同じポジションで戦っていくしかないという状況に置かれている会社もあることでしょう。
そこでこのページでは、そのような場合に、競合する会社に勝つ方法を提案したいと思います。
※このページでは、自社も競合他社も類似する同等のクオリティを有する商品やサービスを提供しており、ターゲットとなるお客さんも被っていることを前提に書いています。
目次
ステップ1. お客さんの悩みや欲求を知る
競合する会社に勝つためには、競合以上にお客さんのことを知る必要があります。
更には、お客さんが商品を購入する会社を選ぶ際の選定基準を可能な限り知る必要があります。
その理由は、お客さんは、自分の悩みや欲求により応えてくれる会社を選んで商品を購入するからです。
例えば、最近はやりのお取り寄せラーメン。結構な人気です。
たくさんのラーメン店がラーメン通販を開始していますが、自宅でラーメンを食べたいというお客さんの悩みの一つに、「送料がかかるので、なるべく一度にたくさんのラーメンを購入したいが冷凍ではないのでたくさん購入すると消費期限内に食べきれない」という悩みがあります。
その場合、冷凍してラーメンを通販しているお店の方が選ばれるということになります。
もちろん冷凍技術のないラーメン店の場合は対応が難しいですが、冷凍技術を容易に導入できるラーメン店の場合は、このようなお客さんの悩みに応えることで、冷蔵配送のラーメン店には勝つことができます。
そのような自社のお客さんの悩みを知るために、次の2つの方法があります。
- インターネットで調査
- 既存客へのヒアリング
インターネットで調査
インターネットの検索エンジンを使います。例えばGoogleを使うことで自社のお客さんが過去に検索したキーワードを知ることができます。そのキーワードからお客さんの悩みや欲求を知ることができます。
そしてもうひとつ、教えてGooやYahoo!知恵袋等のQ&Aサイトを検索することでも、お客さんの悩みや欲求、利用する会社への不満や要望等を知ることができます。
参考記事:【無料でできる】インターネットを活用した市場調査(キーワード調査)の事例と方法
参考記事:Q&A サイトを使ったリサーチ方法
この調査で知り得たお客さんの悩みや欲求、利用する会社への不満や要望等は、競合する会社に勝つための重要な材料となりますので、全てリストアップしておいて下さい。
既存客へのヒアリング
そして可能であれば、すでに自社で商品を購入してくれたお客さんにヒアリングしてみると良いです。
そのお客さんがどんな悩みや欲求を持っているのか、何故、自社で商品を購入してくれたのか等に関してのアンケートを実施します。
既存客へのヒアリングで知り得た情報も全てリストアップしておいて下さい。
ステップ2. 競合他社に勝つためのテクニックを知る
自社の見込み客となり得るお客さんの悩みや欲求を知ること以外にもネット販売において活用すべきテクニックが存在します。
競合に勝つためにはテクニックも必要です。
競合する会社がそのようなテクニックを活用していない場合、大きく差をつけることができますので、以下、確認の上、是非、自社でも取り入れてみて下さい。
返品OK
これは商品の特性上できない場合もありますが、可能であれば返品を受けるようにしましょう。
実店舗での買い物と比べ、ネットでの購入にはやはりリスクが付きまといます。
現状、返品不可の会社よりも返品OKの会社を選ぶ人が大多数だと思います。返品を受け付ける会社は、受け付けない会社と比べ、お客さんに選ばれる可能性が大きく高まります。
返品を受け付けた場合のコストを考えるとなかなか返品OKにはできないという会社も多いと思いますが、実際は返品されるケースはそれほど多くないはずです。
仮に返品が多い場合には、その商品自体のクオリティに問題があるか、もしくは商品ページで商品の説明をしっかりと行っていないかのどちらかです。
このような状態の場合、過去の購入者の方の満足度もかなり低いものと考えられますので、早々に改善が必要となります。
返品を受け付けることによって、このように現在の問題点が明確になるというメリットもあります。
決済手段
自社ネット販売サイトの決済手段があまりにも少ない場合、やはりお客さんは他社へ流れていきます。
最近では電子決済等々、かなりの種類の決済手段がありますが、その全てを導入すべきということではありません。
自社と競合する他社のネット販売ページをチェックして、相対的に優位に立てる程度の決済手段を増やせばよいです。
想いを語る
ここ数年、お客さんがネットで商品を購入する際の意識の変化が取り上げられることが多くなりました。
その意識の変化とは、「何を買う」から「誰から買う」に変化しているというものです。
つまりお客さんは、その会社の商品情報だけでなく、その会社自体をも観察して、購入する会社を選んでいるということです。
自社の想いを語るページとは、「ショップについて」「About Us」等のページのことです。もしくは「会社情報」で自社の想いを語っても良いでしょう。何のポリシーもなくただ商品を販売している会社よりもちゃんとポリシーを持って商売をしている会社の方がお客さんに選ばれやすいことは言うまでもありません。
このページがあるだけで選んでもらえる可能性は高まります。
参考記事:中小企業のネット販売は「ショップについて」でファンを作れ!
顧客対応手段
お客さんからの問い合わせの手段は、やはり多い方が有利です。
電子メールでの問い合わせが普及している現代ではありますが、やはり電話で問い合わせたいというお客さんも多いです。
もし現状、メールのみでの問い合わせ受付なのであれば、電話でも受け付けることで競合に差をつけることが可能です。
スマートフォン最適化
いまだにスマートフォンに最適化されていないネット販売サイトを時々見かけますが、スマートフォンがこれだけ普及している現在、スマートフォン用に最適化されて表示できない通販ショップは、ライバルに勝てません。
早々にスマートフォンでも快適に閲覧できるように販売サイトを最適化しましょう。
購入後のフォロー
商品を購入頂いた後は必ずフォローメールを送りましょう。
いまだに商品発送メールを送った後は、既存客に対して何のアクションも起こさないというネット販売ショップもあります。
これでは2回目の購入は期待できません。
競合する会社が購入後のフォローを丁寧に実行している場合、そこで差を付けられてしまいます。
商品説明
自社で販売する商品の説明欄は、とても重要です。
ここにメーカーから支給された商品画像や商品の仕様のみを掲載しているお店も多いのですが、それでは競合する会社には勝てません。これではお客さんに何の個性もないお店、不親切なお店、と思われてしまいます。結果、選ばれません。
逆にその商品の購入を検討しているお客さんに役立つようなオリジナルの商品画像、オリジナルの詳細説明を掲載することでライバル店に差をつける事ができます。
参考記事:ネット販売の商品説明のコツ~これだけで売上が伸びます!~
参考記事:お客様目線の商品画像を掲載し自社ショップのファンを作ろう!
異なる商品として販売
既製品を仕入れて販売している場合、他社でも同じ商品を販売しているわけですのでどうしても競合します。
その場合、既製品に手を加えることで、機能性を向上できないかどうか検討します。
もしくは、既製品に自社オリジナルの付属品のようなものを付けることでお客さんのメリットにつなげることができないかを検討します。
そうすることで、他社でも販売している同じ商品であっても自社オリジナルの商品として販売することが可能になり競合に勝つことができます。
参考記事:3.同じ商品だけど違う商品として販売
お客様の声
ネット販売においてとても重要なお客様の声。やはり販売者がどんなに「良い商品ですよ!」と言ったところでお客さんは信用しません。信用するのは、第三者の声ですよね。
あなたも自分がネットで買い物をする時のことを思い出すことで、この事実を理解できるはずです。
ネット販売を行う会社にとって、このお客様の声をいかに多く獲得し、上手に活用できるかによって売上が大きく変わってきます。
更には自社の信用を高めたりブランドを構築するためにも、お客様の声が必要です。
他社よりも質の高い、多くのお客様の声を獲得できれば、ライバルに勝つことができます。
【重要】見込み客の顧客化の仕組み
そして、ネット販売を行う多くの会社が忘れがちなのが、自社ネット販売サイトに集客した見込み客を顧客化するための対策です。
この対策が施されていない場合、集客した見込み客の多くは、商品を購入することなく他社のサイトへ移動してしまいます。
つまりせっかくの販売機械を逃してしまっているわけです。
自社ネット販売サイトに来店してくれた見込み客をしっかりと顧客化することで、自社のお客さんを増やしていくことができます。
参考記事:見込み客の顧客化はメールによるアプローチとフォローで【方法伝授】
参考記事:フロントエンドで売れるネット販売の仕組みを構築しよう!
ステップ3. 現状分析
自社と競合他社の現状調査
ステップ1で知り得た見込み客の悩みや欲求リスト、そしてステップ2でお伝えした各項目に関して、競合他社はしっかりと対応しているのか、そして自社は対応できているのかを調査します。
そしてそれぞれの項目に関して、他社を上回る対応をするためには、どうすればよいのかを社内で検討し、項目ごとに具体的な改善策を検討、決定していきます。
下図のような感じでエクセル等に項目別、会社別にまとめると比較しやすいです。
ステップ4. 改善
ステップ4で決まった各案について、実際に自社ネット販売サイトを改善していきます。
そして最も重要なのが見込み客の顧客化の仕組みを構築する部分です。
このような仕組みを構築している会社は、現状、まだ多くありませんので、是非とも早々に構築して下さい。
ネット販売で競合する他社に勝つためには必須のものとなります。
まとめ
以上、このページでは、ネット販売で競合する会社に勝つ方法についてお伝えしました。
但し、本来は競合と戦わずして勝つ方法を選ぶべきです。
常に自社独自の強みを探し、競合とは異なるポジションで商売をすることができないのかを考えて下さい。
そしてなるべく早い段階で、そのような商売の仕方に変えていって下さい。
参考記事:ネットショップの売上アップのための仕組み構築とテクニック【完全版】
外部の専門家に頼るほど予算に余裕のない小規模事業者様を対象に自社内にWEB集客~商品販売/契約獲得のための仕組みを構築できるWEB担当者を育成するためのサポートに力を入れている。これからはどんな業種であっても小さな会社であってもWEBを有効活用して自社収益を拡大するための最低限の知識は持つべきであるという考えのもと活動している。