自社サイトのコンバージョン率を上げるための方法(戦略と13のテクニック)

WEBサイトを十分に活用し期待通りの成果を上げる事ができているかを検証する指標としてコンバージョン率が挙げられます。
「自社サイト作ったけど、全然問い合わせが来ない、、」「自社ECサイト作ったけど、あまり注文が入らない、、」という時に、現状を検証するために使いたい指標ですね。
この指標は会社の自社サイトでも活用すべきですが、特には自社ECサイトの検証指標として取り上げられることが多いです。
このコンバージョン率を上げるためのテクニックは色々とありますが、どんなにテクニックを駆使しても根幹となる戦略部分が欠けているとコンバージョン率も思うように上がりません。
しかし根幹となる戦略部分をしっかりと固め、その戦略通りに自社サイトを構築した後で各テクニックを使い反映させることで十分な効果が表れてきます。
そこでこのページでは、コンバージョン率を上げるための方法を説明するにあたり、根幹となる戦略の説明と、13のテクニックに分けてお伝えします。

コンバージョン率(CVR)とは?

日本語で転換率、成約率等とも呼ばれますが、要するに自社サイトの目的(成果)をどの程度の割合で達成できているかを測る指標と認識頂ければ大丈夫です。

種類(目的)

例えば会社の自社サイトの場合、その目的は、「問い合わせ」「資料請求」「サンプル請求」等、ECサイトの場合は、「受注」が大きな目的となります。

計算方法

コンバージョン率の計算方法は次の通りです。

例えば、会社の自社サイトにおいて「問い合わせ」を目的(成果)とする場合は、

コンバージョン率=問い合わせ数÷アクセス数

自社ECサイトにおいて、注文(受注)を目的(成果)とする場合には、

コンバージョン率=注文数÷アクセス数

このコンバージョン率の平均値は、自社ECサイトの場合は1%~3%程度と言われていますが、業種や商品、サービスによって異なるため一概に言えません。
一般的な平均値以上の数値のみを目標として対策を施していくことは、あまり良い方法とは思えませんので、自社内にて検証する場合には、この平均値はあくまでも参考程度にとどめておき、現時点のコンバージョン率からより上げていけるように改善していけば問題ありません。

コンバージョン率を上げるための戦略と13のテクニック

冒頭でもお伝えしましたが、コンバージョン率を上げるためには、まずは根幹となる戦略を固める必要があります。
つまり自社商品やサービスを売るため、申し込みをしてもらうための戦略です。
これが固まらないまま、どんなにテクニックを駆使したところで、大きくコンバージョン率を上げる事ができません。
まずは戦略を固めて下さい。
その上で、紹介していくテクニックを活用するという順番がとても重要です。

戦略

現状分析

会社の自社サイトであっても商品を販売する目的のECサイトであっても、まずは現状を知らなくては戦略が立てられません。
ここで言う戦略とは、見込み客に競合となる他社と自社とが比較された場合に、自社を選んでもらうための戦略です。
そのためには市場や競合が、現在、どういう状況にあるのかを調査して知る必要があります。
その上で、自社はどうすれば見込み客に選んでもらえるのかしっかりと戦略を立てていきます。

例えば、自社商品に関しての市場の需要がほとんどない場合、当然のことながら問い合わせや申し込みもありませんし、商品を買ってもくれません。
また例えば、競合他社が自社と同じような商品やサービスを自社よりも低価格で販売している場合、見込み客は競合する他社を選ぶことになり、やはり自社では買ってくれません。つまりコンバージョン率を上げる事ができません。

参考記事:【無料でできる】インターネットを活用した市場調査(キーワード調査)の事例と方法

自社の強みの明確化

そして現状分析を行ったらそこで知り得た内容を材料に、自社独自の強みを明確にしていきます。
自社の強みが明確でない場合、見込み客が自社を選ぶ理由も明確にならないわけですから、問合せも増えませんし購入もしてくれません。この場合もコンバージョン率を上げることはできないわけです。

参考記事:自社の強みの見つけ方~他社との差別化を図ろう!~

ターゲット設定

そして自社の強みが明確になったら、自社のお客さん、つまりはターゲットを設定します。
自社の商品やサービスに関心を持つ全ての人がお客さんという考えでは、いつまで経ってもコンバージョン率は上がりません。
全ての人を対象にしていては、自社の特長が不明瞭になるため、そもそも見込み客の集客自体ができませんし、自社サイトに来てくれたお客さんは、自社のお客さんとはなり得ない人ばかりで問い合わせも申し込みも増えません。
コンバージョン率を上げるためには、自社の強みに共感してれる人をターゲットに設定しましょう。

USPの作成

USPとは、自社独自の強み、お客さんへの提案や約束事の事です。
先に決めた自社独自の強みは、ターゲットに伝わってこそその意味をなします。伝わらなければ、そして共感してもらえなければターゲットは自社を選んではくれません。
そのためターゲットに設定したお客さんにしっかりと伝わるような言葉で、しっかりと自社サイト上で訴求する必要があります。
しっかりと伝えるためには、その強みを自社目線ではなくお客さん目線の価値に変換して伝える必要があります。
例えば、「自社商品は〇〇製法で作られた業界で唯一の洗剤です。」と訴求しても、お客さんは〇〇製法の意味が分からず、そもそも製法には関心がないため、共感してくれませんし伝わりません。
そうではなく、「〇〇製法で作られたこの洗剤は、他のどの洗剤よりも楽に汚れが落ちます。襟の黄ばんだTシャツを5分漬け込むだけで、真っ白になります。」と伝えた方がターゲットは共感してくれます。
更には「5分漬け込んで黄ばみが取れない場合には、全額返金します。」と約束まですることで、しっかりと伝わり行動に移してくれます。つまりコンバージョン率を上げることが可能になります。
このような理由から、明確にした自社の強みは、お客さん目線の価値に変換し、可能であれば約束をしましょう。

集客方法

自社の強みが明確になりその強みに共感してくれるターゲットが決まったら、いよいよ見込み客を集客していくことになります。
この順番がとても重要です。
集客する場合には、自社のターゲットが関心を持つであろうキーワードを選んで集客していくようにして下さい。
そうすることでコンバージョン率の高いお客さんを集客する事ができます。
そこに気を付けることなく集客をしてしまうと問い合わせをしてくれない、商品を買ってくれないお客さんばかりが集まってしまう危険性があります。

例えば、自社商品の強みは、Tシャツなどの襟の黄ばみを楽に落とせること、であるにも関わらず、湯飲みの茶渋を落としたいお客さんまで集客してしまうと、当然コンバージョン率は下がります。
この場合、「Tシャツ」「衣類」「黄ばみ」等のキーワードを集客の際には意識する必要があるということになります。同時に衣類の黄ばみを落としたい人がどんな事に悩んでどんな欲求を持っているのかを調査し、その調査で知り得た悩みや欲求に関連するキーワードを積極的に使って集客していく必要があります。

参考記事:集客用ホームページで見込み客をWEB集客する方法

フロントエンド

WEBサイトの目的(成果)を商品購入にする場合、集客した見込み客を顧客化するために必ずフロントエンドを準備して見込み客との関係性を構築するようにして下さい。
そのことで見込み客との信頼関係を構築する事ができますので、結果的にコンバージョン率を上げる事ができます。
もちろんフロントエンドの申込自体も目的(成果)となりますので、そこのコンバージョン率を上げるためには、後述するテクニックが必要になってきます。

参考記事:フロントエンドで売れるネット販売の仕組みを構築しよう!

参考記事:フロントエンド(集客商品)の事例と作り方

テクニック

さて、ここまでで根幹となる戦略部分を構築する事ができました。
ここまでしっかりと考えて自社サイトを構築することで、コンバージョン率を上げるための各テクニックが活きてきます。

デザイン

現在知識がなくても、無料でもそれなりの見た目の良いデザインのWEBサイトを作れる時代です。
そのような中で極端に見た目の悪いデザインのWEBサイトでは、悪い意味で目立ってしまい、安心感や信頼感に悪影響を及ぼします。
デザインの良さだけで問い合わせが増えたり売り上げが伸びたりすることはありませんが、マイナスの影響を与えないように最低限のクオリティの高さが感じられるデザインの自社サイトを作成しましょう。
ここは会社の顔となる部分でもありますので、内製ではなく外注することをおすすめ致します。

ページの構成

WEBサイトの目的によって、どのような構成にするべきかを変える必要があります。
例えば、問合せの拡大を目的とするのであれば、目立つ場所に問合せボタンを配置したり、問合せを促すようなコンテンツを準備し読んでもらうための工夫をしたり等々の対策が必要になります。

表示速度

これは使用するサーバーの問題だけでなく、ユーザーの通信環境によるところでもありますが、表示速度が極端に遅い場合、サイトを訪れたユーザーは表示されるまで待つことなく他のサイトに移動してしまう傾向がありますので要注意です。
デザインに凝りすぎて表示が遅くなることも多いため、そこも意識して自社サイトの作成を行ってください。外注する場合には、制作業者にその旨、確実に伝えるようにして下さい。
また、サーバー会社やプラン等によっても表示速度が異なる場合がありますので、自社サイトの表示速度が遅いと感じる場合には、しっかりと対処して下さい。

スマートフォン対応

年々スマートフォン利用者の数が増えており、現在では半数を超える勢いです。
自社サイトを閲覧する人の半分以上がスマートフォンで閲覧していることを認識し、スマートフォン対応のWEBサイトにして下さい。
現状、スマートフォン最適化の出来ていないWEBサイトを運用している場合、スマートフォンに最適化することで間違いなくコンバージョン率が上がります。

お客様の声(導入事例)

会社の自社サイトでも自社ECサイトでも、コンバージョン率向上に大きく貢献してくれるのがやはりお客様の声や導入事例です。
お客様の声を増やせば増やすほど、どんどん売り上げも上がっていきます。
このお客様の声や導入事例は、だまっていても集まりませんので、必ず集めるための対策を、別途、施しておきましょう。

参考記事:【自社商品のネット販売】お客様の声が集まらない理由と改善方法

参考記事:ネット販売におけるお客様の声の集め方と活用方法

フォームの入力必須項目の簡素化

特には「問い合わせ」「申し込み」を目的(成果)としている場合、フォームの入力必須項目にも十分に気を付ける必要があります。
あまりにも入力項目が多いと、誰でも面倒臭くなって入力したくなくなるものです。
例えば「申し込み」をしてもらう場合には、お客さんの名前、会社名、連絡先等の情報は中々簡略化できるものではありませんが、見込み客リストを収集すること自体が目的である場合には、可能な限り入力必須項目を減らすことでコンバージョン率を上げる事ができます。

アクセスのあるページの内容の改善

自社サイト内の各ページのアクセス数をチェックし、どのページが一番見られているのか?またどのページからの集客が一番多いのかをチェックしてみて下さい。
併せて、その該当するページがどんなキーワードで上位表示されているのかに関しても確認します。
そして、そのページの内容が自社ターゲットを満足させられるような内容になっているかどうかをチェックします。更にそのページと同じキーワードで上位表示されている他社のページの内容と比べ、劣っている部分がないかどうかもチェックします。
もし不足する部分があれば、しっかりと改善していきましょう。
またそのページの内容が、自社サイトの目的(成果)につながるような内容になっているかどうかに関してもチェックの上、改善していきます。
自社サイト内において最も読まれているコンテンツを改善することで、短期間でコンバージョン率を上げることができます。
但しそのページの内容を変更したことでコンバージョン率が落ちるような場合には、内容をもとに戻す、更に改善する等の対策が必要となります。

安心感、信頼感

お客さんは関心を持った複数の会社のWEBサイトを比較して、その中で一番良いと思う会社を選び、問合せや商品購入といったアクションを起こします。
問合せをしてもらうにしても商品を購入してもらうにしても、はやり初めてのお客さんには安心感を与えてある程度は信頼してもらう必要があります。
次のようなコンテンツを充実させることで安心感を与えられ、コンバージョンを上げることに役立ちます。

参考記事:お客様に安心感を与えながら成約率を高める方法

1.会社概要

会社情報はどの会社でも掲載していますが、かなり手抜きをしている会社も少なくありません。
手を抜いていると思われるとやはり信頼してもらいにくいため、可能な限り丁寧に入力しましょう。
自社の想いやスタッフ(社員)の紹介まであるとより安心してもらうことができます。
例えばあなたがネットで何かの商品を探している場合、会社やお店の情報が一切掲載されていないWEBサイトは、やはり安心できないはずです。
更には、単に会社情報だけが掲載されている会社やお店よりも、スタッフの紹介までされている会社やお店の方が信頼できると感じるはずです。

2.特定商取引に関するページ

自社ECサイトの場合、このページの掲載は法律で定められているために必須です。会社の自社サイトの場合でも、そのサイト上で商品やサービスを販売している場合には、このページの掲載が必須となります。
法律で掲載を定められているページがない場合、やはり信頼を失いますので、コンバージョン率は下がります。
必ず特定商取引に関するページを掲載しましょう。

3.取引先情報

特には知名度のない会社の場合、知名度の高い会社に比べ、信頼感、安心感という意味でどうしても不利になります。
多くの中小企業は、知名度がないことがほとんどだと思いますので、そういう意味では不利な状況にあります。
その場合、もし有名企業が取引先にある場合は積極的に書くようにしましょう。
その事で、初めて自社サイトに訪れた見込み客に安心してもらうことができます。
例えば、名前も知らないA社、B社2つの塗装会社のWEBサイトを比較した際、A社は取引先企業の記載が全くない、B社の方は何社かの取引先情報の記載があり、その中の1社はあの日産自動車、であった場合、有名企業と取引をしているB社は、安心できる会社に見えてきますよね?

自社ECサイトに限定したテクニック

ここからは自社ECサイトに限定し、コンバージョン率を上げるためのテクニックをお伝えします。
特には商品購入を目的(成果)とした場合のコンバージョン率アップに有効なテクニックです。

商品説明

実は商品の説明の仕方を工夫するだけでも大きな効果が期待できます。
先に、お客さんは複数のECサイトを比較してもっとも良いと感じたお店を選ぶとお伝えしましたが、ポイントは競合する他社の商品紹介内容よりも、ターゲットにより役立つ情報を掲載することです。
競合他社が、メーカー支給の写真のみ、紹介文のみを商品ページに掲載している場合、商品ページに自社オリジナルの写真を掲載し、自社オリジナルのわかりやすい商品説明をするだけでコンバージョン率は上がります。且つ、ファンが増えます。

参考記事:ネット販売の商品説明のコツ~これだけで売上が伸びます!~

商品数

一般的に売上げを伸ばすためには商品数を増やすべきという考え方があります。決して間違いではありませんが、むやみやたらと商品数を増やしていくとコンバージョン率は下がります。
そうではなく、自社の既存客が欲する商品、既存客の役に立つ商品をしっかりと選んで商品数を増やすことでコンバージョン率を上げる事ができます。
そのためには、先にお伝えした通りターゲットを明確にする事。そして既存客へのアンケートをしっかりと実施しお客さんの更なる悩みや欲求を常に収集できるような仕組みを構築しておくことです。

参考記事:成約率を高め売り上げをアップさせる通販ショップの商品数の増やし方

返品可能

商品によっては返品を受けられないものもありますが、可能であれば返品OKにして販売してみましょう。
間違いなくコンバージョン率が上がります。
返品後の処理が大変ですので、なかなか踏み切れないという会社が多いとは思いますが、実施してみると案外、返品をするお客さんは多くない事に気が付くと思います。
また、返品の際の手間等マイナス面を考慮しても、返品OKにして伸びる売上額の方が大きいはずです。
更には、販売するお客さん(ターゲット)をしっかり設定して、そのお客さんを選んで集客すること、商品ページでしっかりと説明してその商品を買って欲しいお客さんを明確にしておくことで、返品を受ける確率を更にどんどん減らすことができます。

決済方法を増やす

現在、最低でもクレジットカード決済、銀行振込、代金引換、後払い程度は使えるECサイトばかりです。
そのような状況の中で、選べる決済方法が少ないと間違いなくコンバージョン率が下がります。
可能な限り決済方法を選べるように準備しておきましょう。

売りたい商品を絞る

数ある商品の中でどれでも良いので売れれば良いという方針で運営しているとコンバージョン率は下がります。
ターゲット設定したお客さんに対して、まずは最初に買ってもらいたい商品を絞り込み、その商品を目立つように配置し、しっかりと訴求して買ってもらうようにしましょう。
そうすることでお客さんは迷うことなくその商品を購入しやすくなります。
結果、コンバージョン率が上がると同時に、ターゲットに対して買って欲しい商品を購入してもらうことで満足度の高いお買い物をしてもらうことが可能となり、リピート率も向上します。

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