【自社ECサイト】 モールと比較した場合のメリット・デメリット

ネット通販を開始するにあたり楽天市場やAmazon等のモールに出店するべきか、自社ECサイトで通販を始めるべきかお悩みの会社も多いと思います。
様々な意見がありますが、個人的には自社ECサイトでのネット販売を強くおすすめ致します。
その理由は、モール出店の場合、商売の肝となる見込み客リストが社内に入らない(残らない)からです。つまりは自社の資産が構築できません。
以下、その他の項目に関しても自社ECサイトとモール出店とを比較しながら説明していきたいと思います。

参考記事:自社商品ネット販売のためのwebサイト【中小企業向け】

自社ECサイトとモールの比較図

自社ECサイトのメリット

運営コストが低い

代表的なモールとして楽天市場、Yhaoo!ショッピング、Amazon等が挙げられます。
モールによってかかる費用は変わりますが、初期費用、月額契約料、システム使用料、販売手数料の全て、もしくはその中のどれかが必要になってきます(ショップの規模にもよりますが概ね月に数万~数十万円。その他、販売手数料が必要です。初期費用が不要のモールもありますが、諸々の手数料は必要になります。)
一方で自社ECサイトの場合、多くはレンタルカートを利用することが多いものと思われますが、そのレンタル料は月額数百円から使えるものも多いです。クレジット決済を導入する場合には、決済手数料がかかりますが、そのコストを加えて比較した場合でも、モールと比べかなり低いコストで運営することが可能です。

利益率が高い

先の運営コストの違いから当然、商品を販売した際の利益率も自社ECサイトの方が高くなります。

リピーターを作りやすい

ネット販売を行う上でとても重要なのがリピーターを育てていく作業です。
初めて来店したお客さんに商品を買ってもらうことよりも、リピーターに購入してもらうことの方が簡単だからです。
リピーターをたくさん育てることで、売上も安定します。


その際に必要となるのが顧客情報の収集と管理、活用です。
顧客情報とはつまり商品を購入してくれたお客さんの名前、住所、メールアドレス、年齢、購入履歴等のことです。
効率的にリピーターを育てていくためには、顧客の属性に合わせてきめ細かな対応をしていく必要がありますが、モール出店の場合は、これら顧客情報が出店しているお店側には残りませんので、リピーターを育てていくためのお店側からの積極的な施策を実行しにくいです。


顧客情報が自社にないと、例えばお客さんの属性を絞って、「あなたの悩みを解消するようなこんな良い商品ができましたので宜しければお試し下さい。」というようなメールによる案内を直接出すこともできません。
※例えば楽天市場はモールのシステムを利用して有料でメール配信する事は可能です。
しかし仮に楽天市場をやめて自社ECサイトでネット販売する場合、顧客情報が自社に残らなければ、またゼロから新規顧客を獲得しなければならなくなってしまいます。

一方で自社ECサイトによるネット通販であれば、顧客情報を自社内にて管理、活用する事ができますので効率的にリピーターを育てていくことが可能となります。

ブランド構築

比較的、モールでお買い物をする人たちは、送料やポイント、また利便性等を理由に買い物をする人が多いです。
そのため、例えば、楽天市場で買い物をする人は、楽天市場の〇〇ショップで購入したという意識がどうしても低くなり、楽天市場で買い物をしたという意識の方が強いです。
その結果、出店しているお店のブランドを育てにくい状態にあると言えます。
一方で、自社ECサイトの場合は、モールのブランドに頼ることなく自社ブランドでショップ運営をしていますので、そこでお買い物をしたお客さんは、当然、そのお店をわざわざ選んで購入することになります。
結果、そのお店自体のブランドが育ちやすいと言えます。

価格競争に陥りにくい

モールで商品を購入する人は、送料、価格の安さ等を求める人が多いです。
またモールには、自社と競合する同じような商品を販売するライバルがたくさん存在し、モールの便利なシステムで簡単に価格の比較をすることもできます。つまりは簡単に比較されてしまうということです。
あなたにも楽天市場やAmazon等で買い物をする際、価格の比較をした経験があるのではないでしょうか?


その結果、どうしても価格競争になりがちです。
ちなみにモールの中で売上上位にいた会社が、いきなり倒産という話もよく聞きます。ライバル店との価格競争の中で利益よりも売上ばかりを追求した結果ですね。

一方で自社ECショップの場合は、そもそも送料無料や価格の安さを売りにしていては、競合(特には大手)にはかないません。
自社を選んでもらうためには、価格の安さ以外の価値を生み出し提供していくしかないわけです。
その結果、少々価格が高くてもそのショップで購入したいというお客さんが集まることになります。


あなたも例えば、「価格は他のお店よりも少し高いけど、そのお店の対応が素晴らしいのでそのショップを選んだ。」「他のショップよりも商品説明がわかりやすく丁寧なのでこのショップに決めた。」「どこよりも専門知識が豊富な店長がいるので、購入後のサポートも安心だと思い、このショップを選んだ。」こんな経験はないでしょうか?
そういう意味で、自社ECサイトの方は、価格競争とは無縁のポジションでネット販売をしていくことが可能です。

自社ECサイトのデメリット

集客のノウハウと仕組みづくりが必要

モールと比べ、自社ECサイトは、ネット上から自力で見込み客を集客する必要があります。
そのためのノウハウと集客のための仕組みを、別途、構築していく必要があります。

参考記事:集客用ホームページで見込み客をWEB集客する方法

参考記事:ネット販売の見込み客集客方法【リサーチ編】

一方で、モールへ出店すれば、集客に困らないという話をよく聞きますが、それはモール自体への集客が不要であるという意味です。
モールには競合他店が山ほど出店しています。その中で自社出店ブースへ集客するためには、別途、そのための集客対策が必要になりますので、モール出店すれば集客対策が不要ということではありません。その点、勘違いをしない方が賢明です。

参考記事:ネットショップの集客力の比較は実は無意味

マーケティングスキルが必須

ネット販売を効率的に行うためには、上でご説明した集客のための仕組み作りも必要ですが、その他、安心してもらうための仕組み、最初に買ってもらうための仕組み、リピートしてもらうための仕組み等々、しっかりと集客し売れるようにするための戦略と対策が必要になります。つまりマーケティングの知識やスキルが求められます。
モールに出店する場合には、安心感という意味では、モール自体の知名度で達成されます。

モールにはモールの集客ノウハウ、売るためのノウハウが存在しますので、その部分は別途、学び経験を積む必要がありますが、自社ECサイトの方が広くマーケティングの知識やスキルが求められると言えるでしょう。

成果が出るまでに時間がかかる

自社ECサイトでネット販売を始める場合、成果が出るまでにモールよりも時間がかかることが予想されます。
その理由は、先にもお伝えした通り、お客さんの集客から独自で実行する必要があるからです。


モールの場合は、モール内までは集客してくれますので、競合は多いですが自社商品がお客さんお目に留まる頻度は当然高まります。
一方で自社ECサイトの場合は、集客のための検索エンジン対策、広告等を駆使して自社サイトへお客さんを集めていきます。
広告の場合は、即効性が期待できますが、ショップを訪問してくれたとしても必ず購入につながるわけではありません。
そのためは先にお伝えした通り、マーケティングのスキルを活かして売れるようなショップに時間をかけて構築していく必要があります。


また検索エンジン経由での集客の場合には、一般的にその効果が現れるまでに最低でも半年程度は時間がかかります。
更には、自社ECサイトの場合、信用力という意味でも全くのゼロから構築していく必要があります。


お客さんは知らない会社の知らないショップのことを最初は信用していません。
例えば、自分自身がインターネットで買い物をする時の事を思い出すことで、そのことは理解できると思います。
消耗品等、どのお店で購入しても品質にそれほど変わりがない商品に関しては、恐らく楽天市場、Amazon等のモールで購入する人が多いと思いますが、例えば、それなりの値段の商品をネットで探す時のことを考えてみて下さい。
それなりの値段の商品を探す場合、どちらかと言えば安売りがメインになっているモールよりも、こだわりを持って商売をしている自社ECサイトを探す傾向にはありませんか?
そして検索をしてヒットしたショップを見た時に、あなたは恐らく、「このお店信用できるの?」「購入したらちゃんと商品送ってくれるのかな?」「商品購入後のサポートは大丈夫?」「お客様の声を確認してみよう」等々、安心するために色々と調べることでしょう。
つまり知らないショップのことは、最初は信用できないわけですね。
(この部分はネットでのショッピングが年々当たり前になりましたので、以前ほどではありませんが。)

このような事から、商品を買ってもらうためには信用を勝ち取るための工夫も必要です。例えば、お客様の声を充実させる等の施策ですね。但し開業したてのネットショップにはお客様の声は、当然ありません。(もちろん実店舗での販売の経験があれば、その感想を開業当初から載せるべきです。)
お客様の声が充実したショップにするためには、やはりそれなりの時間がかかります。
一方で知名度の高いモールであれば、お客さんはそのような心配をすることなく安心して購入してくれることが多いと思います。

以上、このページではモールと比較しながら自社ECサイトのメリット、デメリットを説明しました。

メリット、デメリットを理解して自社ECサイトかモールなのかを決めるべき

このページでは、モールと比較した場合の自社ECサイトのメリットとデメリットをお伝えしました。売れるネット販売サイトに育てるま少々難易度の高い自社ECサイトではありますが、やはり商売の肝は顧客リストの獲得です。それができないモールよりも自社ECサイトでのネット販売をおすすめしたいと思います。

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外部の専門家に頼るほど予算に余裕のない小規模事業者様を対象に自社内にWEB集客~商品販売/契約獲得のための仕組みを構築できるWEB担当者を育成するためのサポートに力を入れている。これからはどんな業種であっても小さな会社であってもWEBを有効活用して自社収益を拡大するための最低限の知識は持つべきであるという考えのもと活動している。